中間型インスリン(N型製剤、NPHインスリン)
【ちゅうかん・がた・いんすりん(えぬ・がた・せいざい、えぬぴーえっち・いんすりん)】
(薬剤名)


注射後約1.5時間で効果が現れ始め、4〜6時間後で効果が最大になり、12〜16時間後に効果が消滅するインスリン製剤。

亜鉛が添加してあるため、外見は白濁しているが、分子組成としては完全なヒトインスリンである。白濁している部分がインスリンなので、注射する際には液を均一に攪拌する必要がある(ただし、勢いよく振ると、泡が立って液中に空気が混ざってしまうので、注意が必要である。縦にゆっくり数回振る、あるいは注射器を両手で挟んで転がし、中に封入されているガラス球をなどゆっくり動かして攪拌するよう、注意して扱いたい)。

超遅効型インスリン(→)がリリースされるまでは、強化インスリン療法(→)において基礎分泌部分を補う製剤として用いられていた。効果持続時間が12〜16時間であったため1日に2回注射するのが一般的であった。また、効き方にピーク(変動)があったので、超遅効型インスリンに比べて低血糖(→)の危険性も高かった。

国内で市販されている主な中間型インスリンとしては以下のものがある。

製剤名

製薬会社

ノボレットN注

ノボ・ノルディスク・ファーマ社

ヒューマカートN注

イーライ・リリー社