●DCCT
【でぃー・しー・しー・てぃー】
(一般名)



Diabetes Control and Complications Trialの略で、1983年から1993年に、アメリカおよびカナダ在住の1,441人のIDDM患者を対象に行われた大規模な調査研究。この調査研究では、被験者をそれまで一般的に行われてきた1日2回以下のインスリン療法群(従来療法群)と、新しい方法である1日4回以上のインスリン強化療法(→)群に分け、血糖コントロールの方法と合併症の因果関係についての追跡調査を行った。

主な結果としては、

  • 従来療法群のHbA1c平均が8.9%であったのに対し、強化療法群では、7.0〜7.2%であった。
  • 糖尿病性網膜症については、強化療法群は従来療法群に比べて発症リスクが76%、進展リスクが54%下がった。
  • 糖尿病性腎症については、強化療法群は従来療法群に比べて発症リスクが50%、進展リスクが50%下がった。
  • 末梢神経障害については、強化療法群は従来療法群に比べて60%リスクが下がった。
  • 心血管障害については、強化療法群は従来療法群に比べて35%リスクが下がった。
  • 重症低血糖については、強化療法群は従来療法群に比べて3.3倍の頻度で発生した。

などがあり、低血糖のリスクは増大したものの、トータルではIDDM患者に対して強化インスリン療法が血糖コントロールの改善および合併症の予防に有効であるとの結論が得られた。この調査により、強化インスリン療法がIDDM患者への治療として最もポピュラーなものとして認識されるようになった。

DCCTと同様に、インスリン強化療法の効果を調査した研究は、熊本スタディ(日本、1994年)、UKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study, 英国、1997年)があり、いずれもインスリン強化療法の効果を証明したものであるが、DCCTがIDDMを対象としているのに対して、熊本スタディとUKPDSはNIDDMを対象としている。

参考: