【てい・けっとう】(症状名) 英:hypoglycemia DM患者は、IDDM・NIDDMを問わず、程度の差はあれ、血糖値を健常者と同じ状態に調整することが治療の主眼となっているが、経口血糖降下剤(→)やインスリン注射などの薬物療法(→)を行っている場合、血糖値が正常範囲を超えて下がり過ぎてしまうことがある。それを「低血糖」と呼び、通常は60mg/dl以下を指す。めまいや頭痛などを伴ったり、ひどい場合は意識を失うこと(低血糖昏睡(→))があるため注意が必要で、薬物療法の最も大きな副作用として挙げられる。 なお、一般健常者でも、低血糖を経験する場合がある。登山や自転車ロードレースなど大負荷の運動を、エネルギーを補給しないまま何時間も続けると、筋肉や肝臓に蓄積されていたエネルギーを使い果たし、手足が痺れたり、めまいがしたり、急に身体が動かなくなる。いわゆる「ハンガーノック(HUNGER KNOCK=空腹で倒れてしまう)」と呼ばれる状態がそれである。 低血糖になった際には、菓子や食事ではなく、ブトウ糖を摂取することにより、できる限り速やかに正常域まで血糖値を上げることが推奨される。もし意識を失ってしまった場合には、病院に搬送しブドウ糖の静脈注射を受けることが最も確実な回復方法であるが、家庭にグルカゴン(→)注射が常備されている場合には、それで対応することも可能である。 低血糖になった場合の自覚症状には個人差があるが、代表的な自覚症状としては、異常な空腹感・脱力感・手指の震え・発汗・動悸・視覚に異常をきたす・舌が痺れる、などがある。同一人物ではだいたい同じ症状が出るので、薬物療法を行っている人は、自分が低血糖になった際の自覚症状(の感覚)を覚えておくことが必要である。 日常的な対策としては、
などが大切である。 |