●膵臓移植・膵島移植
【すいぞう・いしょく すいとう・いしょく】
(一般名)


IDDM患者の中でも、インスリン頻回注射やCSII(→)などの強化療法(→)では血糖コントロールが著しく難しい場合(ブリットル型(→))や、腎不全に陥って人工透析を受けている場合など、一定の条件にあてはまる患者に対して、脳死ドナーから膵臓を移植することで、インスリン離脱や生命予後の改善を図る方法が試みられている。

しかし移植を受けた患者は、その後は生涯にわたって免疫抑制剤を服用し続ける必要があり、免疫抑制剤の副作用として感染症に罹りやすくなるなどの影響もあるので、現状インスリン強化療法で良好なコントロールが達成できている患者には適用されない。

よって、免疫抑制剤を飲み続けるデメリットよりも、インスリン離脱と人工透析からの解放を得られることのメリットの方が大きい重症患者が対象になっており、現状では膵臓移植を受ける患者の80%以上が膵臓と腎臓の両方を移植され、医療技術の進歩により成功率も上がってきている。

これに対し2000年からは、拒絶反応のより少ない膵島(ランゲルハンス島(→))のみの移植が始まっており、これを膵島移植と呼ぶ。

具体的には、心臓死ドナーあるいは生体ドナー(膵臓は70%切除しても血糖コントロールが十分に行われることが分かっている)により提供された膵臓から膵島を分離精製し、純化された膵島を点滴注入にて肝臓に移植する。点滴注入自体は15分から30分で終わり、開腹手術の必要はない。

上記の膵島移植の技術は、2000年にカナダのエドモントンにあるアルバート大学において確立されたので、「エドモントン・プロトコル」と呼ばれている。日本では京都大学移植外科で「エドモントン・プロトコル」を学んだ医師団が、その知見に更に独自の改良を加え2004年4月7日に初の膵島移植を行った。

京都大学移植外科、膵島移植のページ
http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/〜transplant/islet/index.html