喫煙
【きつえん】
(一般名)
(英:Smoking)



 喫煙は、肺ガンや喉頭ガン、肺気腫あるいはその他呼吸器系の疾患を招くだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞など動脈硬化を中心とする循環器系疾患の大きな要因のひとつとなっている。妊婦においては胎児の畸形などの先天異常や発育不良、あるいは早産・流産を招く危険性を増やすことが指摘されている。さらに健常者における2型DMの発症リスクも増加させるなど、ニコチンによる鎮静効果や気分転換の手段などプラスの側面を差し引いたとしても、DMの人にとって喫煙を行うことは、健常者以上に推奨されない。

 成人が喫煙を行うと、ニコチンの作用によって末梢血管が収縮するため、血流量が低下し、それに伴って末梢部分の体温も低下する。このとき、血糖コントロールが不良で、高血糖の状態が一定期間以上持続している場合には、低下した末梢の血流や体温が元通りになるまで、健常者よりも多くの時間を要する。このようにDM患者は、たたでさえ末梢血管は高血糖による酸化ストレスに晒されている訳であるから、これに加えて喫煙の習慣まで伴うことになれば、合併症の侵行に対して一層のマイナスの影響を与えることになるので、この事実からも喫煙しないようより強く勧告されるべきである。

 なお、以上の事実を踏まえ、自分自身と、家族や職場の同僚、友人など喫煙時に周囲に与える迷惑を考慮し、それでもなお喫煙を継続したいと表明される1型DMの方については、本人の意志を最大限尊重したい。