●ケトアシドーシス
【けとあしどーしす】
(疾患名)


糖尿病の急性合併症のひとつ。1型DM患者(特に劇症型(→))の発症時や、IDDM患者がインスリン注射を中断したときに起こり易い。
インスリンが絶対的な不足状態に陥ると、血液中のブドウ糖(エネルギー源)を細胞や筋肉に取り込めなくなるため、代替エネルギーを得るため、細胞内の脂肪やたんぱく質を強制的に代謝させるが、その「不完全燃焼」の過程で、ケトン体(→)が生成される。人間の体液はpH7.4であり、pH7.0以下になると生命に危険が及ぶが、ケトン体は体液を酸性にする作用があり、ケトアシドーシスが進むと、体液がpH7.0以下になって死亡するケースもある。
特に、劇症1型DMの発症時に見られるケトアシドーシスは、劇症1型DMの存在があまり知られていないこと、症状が感冒に似ていることなどの理由で、病院に行っても誤診され、最終的に手遅れとなり、死亡に至るケースもあった。そこで、2004年の日本糖尿病学会では、劇症1型を専門に扱う医師団が、医師を対象にした教育講演を行うなど積極的な情報発信を行った。
また最近では、「ペットボトル症候群」と呼ばれるケトアシドーシスが見られるようになった。これは、糖分が非常に多く含まれるペットボトル飲料を大量かつ恒常的に飲むことにより、インスリンの分泌が追いつかず、上記と同じような経過を辿ってしまうものである。ただし、1型糖尿病のようにインスリンの分泌が枯渇してしまう訳ではないので、一過性である。