●解糖
【かいとう】
(一般名)



 糖を分解する事を解糖(かいとう)と呼ぶ。

 解糖の初期段階では、ブドウ糖はピルビン酸とADPによって乳酸と水に分解され、この際にエネルギーとして2個のATP(アデノシン3リン酸(高エネルギーリン酸結合))を産生する。

 グルコース+2Pi+2ADP→2乳酸塩+2ATP+H2O

 この過程は酸素を必要とせず、また急速に行われるが、予めストックされていたADPが枯渇した段階で、別の過程に切り替わる。動物では、乳酸が筋肉に蓄積すると疲労の原因となり、微生物が無酸素状態で糖を分解する事を発酵と呼ぶ。

 細胞内のミトコンドリアに十分な酸素が供給される状態で、糖が完全に酸化されると、水と二酸化炭素に分解される。

 グルコース+2Pi+2ADP+2NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)_2ピルビン酸+2ATP+2NADH(還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)+2H2O

 このときに合成されるATPの数は38個。このように、糖が完全に酸化される化学経路を「TCAサイクル」と呼び、ピルビン酸は乳酸には転換されず、ミトコンドリアに輸送される。糖はTCA回路(クレブス回路・電子伝達系)に入ることで、無酸素の過程よりも更に多くの量のATPを産生する。糖以外の脂肪やタンパク質についても、ある程度まで分解された後にこのTCAサイクルに入り、ATPの合成が行われる。

 酸素がある状態ではより効率的にATPを産生することができるため、疲労の原因となる乳酸の蓄積も生じない。運動療法で有酸素運動(エアロビック運動)が良いとされる理由はこの点にもある。通常、運動を開始して15分程度で無酸素呼吸から有酸素呼吸に切り替わるので、その運動強度に関わらず20分以上運動を継続することが重要である。

参考: http://www.coara.or.jp/〜tossy/kaisetu/sankatokaito.htm
http://www.geocities.jp/symz1127/enerugi.htm