●1.5 A-G
【いちごー・えーじー】
(検査指標名)

1,5アンヒドログルシトール(1,5AG)は、血糖コントロールの状態を表す指標のひとつで、検査時点から過去数日間の短期間の状態を反映する。今現在の正常値は 14.0

1,5AGは、グルコースに似た構造をもつポリオール(多価アルコール)であり、体内に豊富に存在する。1,5AGはごく少量ずつ毎日食物より供給され、余分は尿へ排泄されるため、1日の尿中排泄量と経口摂取量はほぼ均衡する。健常者では1,5AGは、腎尿細管でよりほぼ99.9%の再吸収を受ける。しかし、高血糖の場合、高血糖に伴う尿中へのグルコース排泄(尿糖)により、再吸収が競合阻害を受け、尿中へ喪失されて血中濃度が低下してしまう。

つまり、1,5AGは、高血糖に際しての尿糖に伴って尿中に失われ急減するため,血糖上昇に対応する変化は素早く、逆に血糖改善時の回復も比較的速やかである。したがって,1,5AGは血糖指標の中でも血糖変化を捉えるのが最も早い先行指標となるので、血糖の下げ過ぎを未然に防いだり、急速な血糖降下を避けるなど、血糖のモニターに最も適した指標となる。

1,5AGは、血糖値が正常域に近い状態(HbA1cで6〜8%のレベル)で大きな変動幅を持っているため、他の血糖指標よりも正確で客観的な血糖情報を提供する。ただし、HbA1cが10%以上のレベルでは,体からほとんど抜け落ちた状態のため変化に乏しくなるため、この領域ではグリコアルブミンの方が優れるので注意を要する。

基準範囲:
14.0 _g/dl 以上 (平成14年4月1日より)
10.7 _g/dl 以上 (平成14年3月31日まで)

血糖状態 正常範囲 優良 良好 不良 きわめて不良
1,5AG(μg/mL) 14以上 10〜13.9 6〜9.9 2〜5.9 1.9以下



参考:
http://www.dm-net.co.jp/seminar/yougo/yougo.htm
http://www.okayama-u.ac.jp/user/hos/kensa/tousitu/15ag.htm