【治療について】



インシュリン依存型糖尿病(高血糖症)(以下IDDMと略)の人は、ウィルス感染に伴う自己免疫反応によって、膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞が破壊されてしまいます。この細胞は人間の身体の中でインシュリンを作り出すことができる唯一の細胞ですから、IDDMになった人が生きていくにはどうしても外部からインシュリンを取り入れる必要があります(この点が、単にインシュリンの分泌機能や受容性が低下するインシュリン非依存型糖尿病(高血糖症)の人(以下NIDDMと略)とは大きく違います)。

ところが、このインシュリンは血液中に分泌されるホルモンの一種ですから、経口摂取するとすぐに分解されてしまいます。そのため、現在のところインシュリンを体内に取り入れるには、皮下注射(静脈注射ではない)を以外の方法はありません。

インシュリンは血糖値が高くなると予想される30分ほど前に注射するのがよいので、注射をするタイミングは必然的に食事の前になります。注射する部位は上腕や太もも、腹部など、血管があまり通っていないところがよいとされます。そして、インシュリンによる薬物療法と同時に、食事の量と栄養のバランスを調節する食餌療法や、運動療法などを併せて行うことによって、できるだけ血糖値を正常の値(空腹時80〜100mg/dl)に近づけるように努力をする訳です。

また、よい血糖のコントロールを保つためには、この血糖値を1日に数回自分で測定することが必要です(針で指の先に傷を付けて出した血を使う、原始的方法によります(^^;))。最近ではそのための器械(血糖測定器)も小型化(タバコの箱程度の大きさ)と高速化(数十秒で測定結果が表示される)が進んできているので、大変便利になってきています。

尤も、願わくば、血を出さずに済ませたいものではありますが...(^^;)。


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