【病態について】


病態については、インシュリン依存型糖尿病(高血糖症)(IDDM)もインシュリン非依存型糖尿病(高血糖症)(NIDDM)も大差ありません。

糖尿病(高血糖症)は治療をせずに放置しておきますと、血液中の糖分を細胞内に取り込めないため、血液中の糖分濃度が通常の何倍にも上がったままの状態が続きます。そしてそれによって様々な障害、すなわち合併症が出てくるのです。どんな溶液でも濃度が上がると粘性も増してきますが、糖尿病(高血糖症)になると「サラサラ」の血液が「ドロドロ」になると説明すれば、血管周りがどうなるかは大体イメージしてもらえるでしょう。
 
短期的には、喉の渇きや頻尿(血液の浸透圧が上昇することによる)、体力・体重の低下などが現れます。インシュリンがないと血液中の糖分を細胞の中に取り込めませんので、細胞側ではやむをえず脂肪や蛋白質を分解して糖分を作ります。いわば「不完全燃焼」を起こす訳です。このときに生成される老廃物が「ケトン体」と呼ばれるもので、IDDMでは治療をしないとこれが急激に蓄積されますので、発病してから治療を始めるまでに時間が懸かると意識障害(高血糖昏睡)を起こす場合があります。

長期的には動脈硬化・脳卒中・心筋梗塞などの血管障害や、網膜症・尿毒症・高血圧などの血行障害や末梢神経障害を引き起こすことになる訳です。よく「糖尿になると失明する」とされるのは、このためです。

尤も、血糖のコントロールさえうまくいけば、普通の人と全く同じように生活することができますので、それほど神経質になる必要もありません。



成因について / 治療について / 低血糖について / 最後に


 トップページ / IDDMとは / 病態について