9月23日(月) 10:30〜 
講演「ヤングの会の組織化と今後の展望」

東京女子医大糖尿病センター 内潟安子先生

内潟先生は糖尿病センターでヤング・小児外来を担当され、また「さかえ」の編集委員も務めておられるなど、日本のDMの治療のオピニオンリーダーとして活躍しておられます。非常に辛口で説得力の塊のような先生ですが、それは現在のDMのおかれている状況を少しでも改善していこうとする熱意の現れに他なりません。



まず「人が集まらない云々」の前に、ヤングの会の活動の中味を充実させること。中味がよければ人は自然と集まるんです。人が集まらないのは下らないことをやっている証拠。そしてその労力の代償は、次の世代が示してくれます。

IDDMの治療には、「ハード」として血糖コントロールが、「ソフト」としてメンタルなコントロールが不可欠です。そして誰も彼もがリーダーになれる訳ではありません。昔から「子供は親の背中を見て育つ」と言うでしょ?自分にIDDMについての知識がなかったり、あるいはコントロールする力がないとトップにはなれないし、ならないで欲しい。また、それらの活動を通して人と会うのは、自分を知るためです。「出会いを通して自分と出会う」。忘れないで下さい。

コントロールについて。今この瞬間の血糖値を見るだけではなくて、1日の血糖値の動き、1週間の血糖値の動き、1カ月の血糖値の動き、1年間の血糖値の動き、全てを常に頭の中に入れておくように。当たり前だけど、

 「血糖値は測るだけでは下がらない」

ことを理解しておくように。

また、IDDMであると同時に一人前の社会人になって下さい。自分を磨いてもらいたい。自分に魅力があれば自然に人は集まってきます。そのためには、教養を身につける・社会のルールを知る・守ることが重要です。

自分だけでなく、人間ならば誰でもみんなハンディキャップを持っています。ハンディキャップを持ちながら生きるのが人間なのです。自分1人を勝手に悲劇のヒロイン・ヒーローにしないように。

網膜症は必ずきます。例外はありません。しかし、きちんと治療さえすれば5年後に8割の人を増殖停止にできるのであまり心配する必要はないです。また腎症は網膜症とは少し違っています。コントロールが悪いと4割が腎症になるが、逆に悪くても6割はならないことが判っています。力まず普通に無為にやればいい。あまり難しく考えないこと。しかし、その一方で病気を理由に親や医者に甘えないことも大切です。


ひとこと

私は初めて内潟先生のお話をお聞きしたのですが、説得力が凄いです。「IDDMに対して受け身の態度ではいられない」、そう思わせてくれるHOTな講演でした。



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