23日(月)8:30〜

各県のヤングの会の現状と各ヤングの会からの発表


◆宮崎:フェニックスIDの会(柏田ゆかり)

登録会員数は45名ですが、現在14名しか会費が払えていません。活動としては月に1回の定例会と年に1回の総会を開いています。今年発足16年目にして初めての宿泊スタッフミーティングを開きました。

 ドクター抜きでの活動が主で、最近になってようやくOB・OGが参加してくれるようになったきました。今日は、各地方によってサマーキャンプとヤングの会の関係がどのようになっているのかについてお訊きしたいと思います。


◆京都:京都ヤングの会(能勢 謙介)

京都ヤングの会の会員数は約20名で、4カ月に1回の割合で例会を開いています。例会の内容は、勉強会やフリートーキング、レクレーションなどが主で、きっちりと計画を立てて活動している訳ではありません。例会に出席するメンバーはほぼ固定していて、出席者の数は7〜8人程度です。

 先程サマーキャンプとの関係がどうなっているのかについて質問が出ましたが、京都ヤングの会ではサマーキャンプの企画・運営などはやっていません。京都にはヤングの会とは別に小中学生を対象とした「京都つぼみの会」があって、そちらのOB・OGやボランティアの方がスタッフとして参加し、企画運営に当たっておられるようです。しかし、スタッフとしての活動は高校生以上で発症したIDDMの人にとってもいい勉強になるので、今後京都つぼみの会と連絡を取り合い、できればキャンプのスタッフとして参加させてもらう体制が整えばいいなと考えています。


◆東京:東京わかまつ会(氏家伸治)

東京わかまつ会は「ヤング」を特に意識しない患者会です。小中学生が主なメンバーとなっており、そのすぐ上には氏家君と坂本君が位置するような偏った状況で、実態は「ヤングの会」には程遠いですね。

医療関係者は期間中以外はノータッチで、キャンプの企画・運営には主にスタッフが当たっています。現在特にヤングの会を作ろうとはしておらず、他のヤングの会を参考にさせてもらっているのが現状です。

実際には、後継の人材がなかなか育たないので、サマーキャンプの企画・運営・実行などの活動はこの2人だけで続けざるを得ないのが現状です。


◆長野:ぶらんこの会(平山大徹)

長野には、信州大学の医学部・看護学部を母体とした「ぶらんこの会」(とクリスマス会)がありますが、この責任者は医師で、ヤング自身が運営にあたっている訳ではありません。自分(発言者)よりも年上の者がいないので、OB・OGがどのようにキャンプに関わっていけばよいのか手探りの状態です。一応、高校生以上で発症した人はスタッフとして参加できることになっています。


◆大阪:WEST CLUB(大住育子)

大阪府立病院内で、同じIDDMの人5人が集まって独自にヤングの会を作って活動しています。日糖協には加入していません。近畿ヤングの会にも加入していませんが、それは先生同士の確執(?)のためです。


◆金沢:つばさの会(藤田礎史郎)

新規会員が入ってきません。金沢のトップセミナーではヤングの会の運営について話をしましたが、そのとき金沢にはヤングの会がなかったので作りました。「集まって自己紹介をして終わり」はヤングの会だけでなく、トップセミナー・ジャンボリーに共通する問題ではないのでしょうか?


◆福岡:ヤングホークス

福岡には、キャンプを知らずに成人した人やIDDMの友達がいない人を対象に活動する「iの会」があります。


◆長崎:

長崎医科大を中心にIDDMは200名いますが、ヤングの会などきちんとした組織がありません。
年齢制限はなく、家族・兄弟も参加しています。


◆大分県:大分ヤングインバード(生野理恵)

高齢発症(笑)の人を対象にしていたので、キャンプのOB・OGなど新しい人を取り入れたり、知識を取り入れながら活動しています。主治医の力を借りればよいとの考えがあって、自主的な活動ができるまでには至っていません。現在会員数は14名です。


◆北海道:

キャンプのOB・OGがキャンプの手伝いをしています。年に1回講演会をしようと企画し、300人に案内を出したのですが、その反応はあまり芳しくありませんでした。

現在つぼみの会として会費を取っていますが、運営資金はどうするのかをはじめとして

 ○キャンプを卒業したOB・OGの扱い

 ○ヤングの会の情報交換の方法

 ○キャンプ不参加者への案内

などの問題が挙げられます。


◆仲村先生より:

日本糖尿病学会がIDF国際糖尿病学会に加入を申請したときに、患者会がないとその資格がないと指摘されたので結成されたのが日本糖尿病協会です。以前は医師主導の組織でしたが、その目的が7年前に「医者も患者も関係者も対等になって、国民の健康の増進に寄与する」に変更されました。だからヤングの会も基本的にはこれを利用すればいいのです。

 例えばIDDM対策委員会を作ったり、あるいは先程の資金の調達の問題に関しては会費や出版物からの印税などの資金を配分してもらえばいいのです。


◆南先生より:

ヤングの会の最終的な目標は、「社会的に受け入れられるためにはどうすればよいか」です。現在ヤングの会は日糖協の分会において、現状報告に終始しているような状況です。今後はこれを、患者の声を代表して厚生省などにもっていくための仕組みにしていきたいものです。


●日糖協の組織形態

分会

 理事会

 企画委員会(素案作成)

 療育指導委員会

 国際委員会

 さかえ編集委員会


総体として意見がまとまれば、議題として理事会にかけられ、検討されることになっています。言い放しにするのではなく、まとめた意見に対応してくれる組織があることを理解しておいて下さい。


◆布井先生より:

福岡のiの会における日糖協への支払い内訳は...

 分会の費用    200円

 県の支部の費用  100円

 日糖協本部の費用 100円

       合計 400円


希望すればiの会から日糖協に加入できるようになっています。


これらヤングの会の運営を進めていく上で必要とされることは...

  ○目的をはっきりさせる
  ○事務局機能をはっきりさせる
  ○会長を決める
  ○連絡先を決める
  ○会計を決める
  ○資金的な問題を解決する
  ○人的財産をフルに活かして要所に働きかける

 →地域毎の問題を言いっぱなしにしていてもそれでは何も解決されない

 →意見の集約を行って、受け皿(小児糖尿病対策委員会)を設けること


◆仲村先生より:分会について

県支部があって、その下に病院単位あるいは患者会単位で加入するのが分会です。各都道府県のヤングの会自体は簡単に作れるので、皆さんはこのトップセミナーから帰ってから自分の住む都道府県の日糖協支部に働きかけてヤングの会を作って下さい。また、事務局をする人間は絶対に必要です。これらの活動が効力を持つかどうかは、動く実体・人間がいるかいないかに懸かっています。


◆宮崎:柏田

資金繰りについて


現在日本モータボート協会からサマーキャンプに補助金を提供してもらっています。
また、日糖協に入会すればそちらからも資金は得られるので、これについてはその方向で対処しましょう。


◆東京:坂本

現在、全国規模の活動のピラミッドの上の方はできているけど、下の方からの積み重ねがありません。


◆京都:能勢

そうした下からの活動を拡げていくためには、各分会・もしくは都道府県支部の活動状況を相互に連絡・確認し合えるようにしなくてはいけないと思います。


◆仲村先生

それは「さかえ」を利用すればよいことです。そして、そうした取り組みを今後も続けていく必要があります。


ひとこと

このセッションもかなりの長丁場でした。全国各地で様々なヤングの会の活動が行われている訳ですが、報告を聞いているとそれらはまだまだ散発的なものに過ぎず、きちんと組織立ったものにはなっていません。個人的には、話し合いを継続するための場が持てないことが主な原因のように思われます。それをこうしたメーリングリストやあるいはホームページの掲示板などを利用して展開していきたいと私は考えています。


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