9月21日(土) 22:00〜
グループ討論会(「その他」)

私が参加したグループ討論会のテーマは「その他」です。司会進行役を担当された岡田先生も指摘されていましたが、「就職」「恋愛・結婚」「妊娠・出産・子育て」などのテーマには当てはまらないような問題について話し合いたい人がこの「その他」に来られたようです。

具体的には...

 ●サマーキャンプ運営の方法について
 ●ヤングの会の運営の目的とその方法について
 ●どのような考え方をすればコントロールがうまくいくか
 ●他府県のヤングの会の活動状況はどのようになっているのか
 ●IDDMの自立を妨げているものは何か
 ●IDDMのことを理解してくれない人とどうやって付き合うか
 ●IDDMを受け容れられているか、またその違いによってコントロールに
  差は出るのか

などのテーマが挙げられていました。意見を出し合った結果、先ず「現在のヤングの会が抱える問題」について話し合うことになりました(以下は議論の内容の要約です)。



 先ず、これまでヤングの会として活動してきた中で何か見るべき成果は上がっているのかを考えたとき、何ひとつ達成していないことは明らかです。合併症を防ぐためには正しい知識を得てそれを実践していく必要があるわけですが、そのための教育が全くできていないのが現状ではないでしょうか。それらの基本をなおざりにし、毎年「ああ、また会えたねよかったね」だけを繰り返していても仕方がありません。このままでは全国からたくさんの人がわざわざ集まってきてトップセミナーやジャンボリーを開催しても何の意味もないのです。ヤングの会はもうそろそろ具体的な行動を起こすべき時期に来ているのではないでしょうか。

 それでは、先ずヤングの会の実態調査をヤング自身がやってはどうかとの意見もあるようですが、これについては既に過去に実施されています。ノボ社の営業マンに、インシュリンを使っている全ての病院にアンケート(*)用紙を配ってもらったことがありますが、全国に6000〜7000人はいると思われるIDDMの人のうち、200人程度からしか返ってきませんでした。しかも知っている人ばかりから。「さかえ」の96年7月号に掲載されたアンケートでも、対象となったのは2000人程度で、あとの4000人はその対象にすらなっていません。

 *このアンケートの内容は糖尿病についてどの程度の知識があるかを訊くもので、IDDMの人の所在を確認することを目的としていた。

 とにかく現在のままではヤングの会の組織力があまりにも弱過ぎます。「IDDMの自立」を謳うからには、やはりIDDMの人が自分自身で行動しなければなりません。欧米では、DMの中に占めるIDDMの割合が多く(例:米国15%、スウェーデン30%)かつ絶対的な数が違うことも影響していますが、あちらのIDDMの組織は日本のそれよりも明らかに社会に対するインパクトやアピールする力を持っていますし、実際にその活動を経済的にバックアップする財政基盤もしっかりしています。

 これに対し日本の各地方のヤングの会でも方法がない訳ではありません。例えば、設立趣意書を作成して郵便局に口座を開設するなど所定の手続きを踏んで製薬会社に申請すれば、1社あたり10万円程度の運営資金を引き出すことは十分可能なのです。組織の運営にお金は絶対に必要ですから、皆さんも頭を使ってお金を集めて下さい。代表者や連絡先が動かないようにしておくことも重要です。なお、こうした組織を作った場合、「割を喰う」人が必ずどこかに出ることは覚悟しておいて下さい。

 また日本糖尿病協会の組織力を利用するのも有効な方法のひとつでしょう。それには、日糖協の理事にIDDMの人を入れて組織作りを推進するのが最も現実的で手堅い戦略だと思われます。ただし、それにはまずIDDMの人に日糖協に入会して会費(2400円/年)を払ってもらうことが前提になります。これらの具体的方法については、今後一定のガイドラインを策定していく必要があるでしょう。



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