産経新聞 1995/12/12日号

室町時代 in CD-ROM
新年度から採用検討中の学校も

 歴史と文化の町、京都で活動するコンピュータソフト会社「アクト」(京都市)などの中小企業グループが、室町時代の政治、農村生活などを動画や音声で教える学習ソフトを開発、販売を始めた。コンピュータ教育の充実、拡大を目指す文部省の委託を受け、一年がかりで研究を進めていた。新年度からの採用を検討している学校もあり、マルチメディア対応教育で、歴史好きの子供が増えそうだ。
 このソフトは、「タイムトラベル in KYOTO with GPS」。
CD-ROM(コンパクトディスクを使った読み出し専用メモリ)に、室町時代の京都の武家政治、公家の実態、外交、アジア情勢、文化・芸能、農村や市民の暮らしなど250項目の資料を収録。
 NHKの大河ドラマや映画の映像を採用し、文字による説明とあわせるなど、小中学生にわかりやすい内容に構成している。
 また、裏千家や、池坊、能楽金剛流の家元、鹿苑寺、京都国立博物館などが保存している貴重なデータや、指定文化財のさまざまな資料も取りいれている。
 CD-ROMは、京都の童歌で始まり、京都を写した衛星写真をたどって室町時代に関係の深い特定の場所を指定すると室町時代にタイムスリップし、臨場感いっぱいの歴史事実を学べる。
 価格は18,000円。学習指導用マニュアル(1,000円)も作成している。
 同社では「一級の資料をつかい内容も豊富。次は平安時代から鎌倉時代のマルチメディアの教育ソフトを制作したい」と話している。

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