昨年度、文部省より学習ソフトウェア研究開発事業の委託を受けた10グループのうち、民間企業と先生方や学識経験者で編成された9グループの研究開発成果が、7月末に行われた「'95教育総合展」において発表された。小学校から高等学校向きまで、対象や教科、対応機種もさまざまな、本邦初の個性あふれるソフト9種の特徴を一挙紹介する。
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タイムトラベル
in KYOTO with GPS
研究開発グループ:マルチメディアデータベース研究会
校種:小学校5〜6年、中学校 教科:社会科
京都の町を歩いているうちに、地図上の建物などから室町時代を中心とした昔の京都へタイムスリップして、歴史上の出来事や人物などについて学んでいくことができるという仕組みの歴史探索型ソフト。
NHKや東映の映像データをはじめ、池坊、裏千家、能楽金剛流、浄土真宗本願寺派、慈照寺、鹿苑寺などそうそうたる顔ぶれの家元や文化継承者によって特別に提供された、日本の歴史上重要な某大喝貴重なマルチメディアデータが収録されていることが最大の特徴。京都国立博物館や京都文化博物館からもデータ提供を受けている。本ソフトを活用することで、日本の歴史に対する子供たちの興味、関心、知的好奇心などに、質・量とも十分に応えうる充実した内容となっている。高校で学ぶレベルの情報が網羅されているので、小・中学校の活用に限定せず、幅広く役立てることができる。
子供たちに「本物」を見せることで、日本の歴史や文化に誇りを感じてもらいたいとの開発者の熱意が実現した、価値のある学習ソフトである。京都市立永松記念教育センター指導主事の堀
康廣先生がシステムのシナリオを設計された。