京都新聞 1995/6/15日号

京文化、パソコン画面でタイムトラベル
歴史教育用のソフトを披露

京都マルチメディア研究協議会

 京都市内の中小企業が開発した歴史教育用のマルチメディア対応ソフト「タイムトラベル in KYOTO with GPS」の完成報告界が14日、同市下京区の京都リサーチパークで開かれ、ソフト制作に協力した華道、茶道、能など京都の伝統文化に携わる人々に披露された。
 ソフトは、同市南区西九条御幸田町、ソフト開発会社「アクト」(秋田公司社長)などでつくる京都マルチメディア研究協議会が開発した。パソコン画面の中で、室町時代などへタイムトラベルしながら歴史学習できるシステムで、京都の地図上を移動し、年表の中から特定の歴史事象が表現される。それぞれの歴史事象のデータがつながっており、児童、生徒の興味に沿って歴史を探索できる。
 デ−タベ−スに収められた文化情報は、京都の社寺、伝統芸能の保持者らの協力で現存する実物を使い、能楽金剛流の舞、天目茶碗(わん)、生け花の花伝書などを網羅した。
 報告会には、ソフト制作に協力した社寺、伝統芸能、教育関係者ら70人が出席。兵庫教育大学の正司和彦教授らが講演し、ソフト完成を祝った。秋田社長は「今後も京都の文化、伝統の粋を凝らしたソフト開発していきたい」と話していた。

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