教育家庭新聞 1995/6/10日号

文部省委託事業
学習用ソフトウェア
「10チームの成果」を紹介

 教師学識経験者、民間企業などがチームを組んで良質なソフトを開発する文部省の「学習ソフトウェア研究開発事業」が平成6年度からスタート。昨年度は応募98グループから、教育的・技術的観点の審査から、10グループを選出、文部省に報告された。開発されたソフトは、映像・静止画・アニメ・音声などのマルチメディア機能が駆使され、自動・生産に親しみやすいものになっている。ソフトは、7月26日〜28日、幕張で開かれる教育総合展で展示されるが、本誌ではそれに先立ち、紙上展示した。

〜 略 〜

「室町時代」にスリップ

タイムトラベル in KYOTO with GPS
能や茶・華道など体感させる

開発の意図

 断片的な知識や記憶を基に、興味のある情報を調べ、考えをまとめることで、一つの体系的な知識を発見していく過程を大切にした。データベースという情報空間を自由に探索することで、概念や知識を得ることができる。

内容

 各歴史事象のデータはマルチリンクしており、現在と関連付けて学習できる。2次元的な位置を確認しながら、時間(歴史)を移動し、室町時代の京都を自分の課題で探索する。子供の興味・関心を基にして、歴史事象や事実がどのように関連付けられているか、先人が生み育ててきた文化が現在の生活にどのような影響を及ぼしているかを考えさせることができる。また、データベース化している文化分野の情報はすべて現存している実物を使用し、金剛流家元の舞や天目茶碗、生花の花伝書等の国宝・重要文化財を網羅することにより、北山文化の華やかさと東山文化のわび・さびなども音声・動画・静止画等のマルチメディアを利用し、体感できる。

評価・期待

 実践授業での反応や感想文等を見ても、意欲や興味を持続させ、知的欲求を満足させる情報の質と量が完備されているものと考える。また、学習履歴やしおり機能を付加するので、学習状況の把握も容易である。

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