分譲並の賃貸住宅がハウスメーカーやゼネコンから次々と発表され、“賃貸の時代”も本物へ。外観、間取り、設備、仕様のバランスが取れ、賃貸派には魅力ですが、この不況では「家賃を出せる範囲でないと」と、ユーザーの思いは複雑です。しかし、オーナーや企業の懸命な努力でニーズを反映、家賃的にも手ごろな物件も可能に。そこで日管協京都支部の各社から京都における2002年のニーズを聞きました。

◆和敬 課長 若林基道氏
ユーザーの要求度が高くなり、“質は高く、家賃は安く”が求められ、家主さんや管理、仲介会社も含めてこの対応に大変な企業努力が必要です。絶えず情報を集めて分析し、建物へ反映させることに努力しています。
◆京都ライフ 小倉店長 内海建蔵氏
ユーザーニーズは刻々と変化し、わが社の仲介の窓口から伝わる客の声を企画面へ生かす努力をしています。このスピードが大切です。家賃重視という厳しい状況ですが、住空間に対する入居者の要求度はシビアになっています。
◆京都パナホーム 賃貸管理センター 高橋宏文氏
客の「広さ」への注目度は、さらに強くなっています。ワンルームは外観、設備のバランスに加えて今は広さが求められています。浴槽も広いのが好まれ、もちろんセパレートです。家主さんには負担がかからないフローリングではなく、原状回復がしやすいウッドタイプを提案しています。


●●●家賃重視の一方で内容にも注文●●●
京都は世界的に有名な古都で不動産業の活性にはこのブランド力の生かし方が改めて問われています。地元需要はもちろん、他地域からの入居希望者は憧れの京都で勉強したり、暮らすためにより快適な住宅環境へは細心の努力をします。それだけに賃貸住宅の「商品力」を生かさなければの主張が管理会社の中から最近特に出てきました。ユーザーのニーズを意識した精度の高い企画が昨年あたりから増えています。
 


◆旅の途中で仏の都市開発を見る◆
さすがパリ、建物が個性的 長栄社長 長田修氏
昨秋、ベルギーグランプリを見がてらのヨーロッパ旅行の途中、好きな都市パリで三泊しました。美術館やグルメを楽しみ、その間パリの町や住宅、暮らす人を見てきました。以前から聞いていたフランス最大の都市開発の現地を見たいと、都心に近いデファンス地区を訪れ、そのスケールの大きさ、自然の取り入れ方、建物の個性など改めて驚きました。
 


賃貸借契約期間中、建物所有権が譲渡された場合に、賃借人はいつから、誰に賃料を払えばよいのでしょうか。
賃借人は建物所有権移転登記の時期を基準に、移転登記前までの賃料は旧賃貸人に、移転登記後は新登記名義人に登記日以後の賃料を支払うべきです。
第三者が旧賃貸人に代わり賃借人に対し賃料の支払いを請求するためには、建物所有権を譲り受けた第三者が賃借権譲渡の書類をそろえるだけでは不十分で、所有権移転登記を経由しなければなりません。賃借権を譲り受けたと称して第三者が請求してきても、賃借人は、その第三者の建物所有権移転登記経由までは、その第三者に対する賃料の支払いを拒むことができます。
建物所有権移転登記がされているにもかかわらず、賃借人がその事実を知らずに旧賃貸人に賃料を支払っていた時は、その事実を知らなかったことにつき善意無過失であれば、旧賃貸人に対する賃料の支払いは有効です。この場合、賃借人は新所有者に対して、旧賃貸人に対する支払い分をもう一度支払う必要はありません。(つづく)
●日管協京都支部が開く高齢者居住法とシニアステージ説明会●
昨年10月の「高齢者の居住の安定確保に関する法律」施行を機に一気にお年寄りの住まいに関した情報が増えています。賃貸住宅の分野では、これまでとかく敬遠がちだった高齢者の入居を国の施策や民間のスキルで大事なユーザーとして歓迎する方向です。日管協京都支部でも、法律の解釈と併せて日管協独自の「シニアステージ」についての説明会を開きました。

「高齢者の入居不可」これがまかり通っていた賃貸業界。これが大きく変化しようとしています。さきごろ、日管協京都支部が国土・交通省の担当官や日管協の独自システム「シニアステージ」推進担当を招いて説明会を開催。このように高齢者の住宅環境が改善されつつあります。


「高齢者入居へ民間活力」国土交通省 橋本対策官
京都支部が昨年11月にJR京都駅前の「ぱるるプラザ」で開催した「高齢者居住法およびシニアステージの説明会」は管理会社を主に100人以上が集まり関心の高さを示しました。
長田修支部長が「高齢者入居促進へ積極的に取り組みたい」と挨拶。つぎに国土交通省住宅局住宅総合整備課高齢者住宅整備対策官の橋本公博氏が「高齢者居住法」を中心に、お年寄りの住宅事情改善への制度や大家への保証制度、バリアフリー化への補助制度、民間との協力などをスライドを使用してくわしく説明しました。

家主、入居者へ安心のシステム
日管協は高齢者の入居を促進するため、早くから独自の「シニアステージ」として取り組みを進めてきました。国の政策に先行してといってよいほどの早さで、来るべき高齢者社会における管理会社の役割を具体化させようとしてきたのです。従来、否定的だったお年寄りの入居を促進するもので、オーナーへも安心して説得できる制度づくりです。新法律の施行もこれに後押ししています。制度は下図の通りです。


◆京都支部に2社入会◆
会員増加を積極的にすすめている京都支部にまた新加入会社2社が仲間入りしました。潟tジヤマ(藤山邦博社長)と、京都エレベーター株式会社(岩島伸二社長)です。


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