
全体交流会議(平成8年度)
記念スピーチ1
孫 天義(中国 西安外国語大学学長)
尊敬する吉成大志先生、代表の皆様、ご来賓の皆様、おはようございます。
環日本海アカデミック・フォーラム全体交流会の開催に際して、私は中国陝西省西安外国語大学を代表し、そして私個人の資格で、この交流会の開催を心よりお祝い申し上げます。また、このような会にお招きいただき、周到な心配りをいただいたことに対し、心より御礼申し上げます。
21世紀がやってくるのに際して、世界の平和、国の安定、経済の発展、社会の進歩を進めていくことはもう既に時代の流れになりました。相互協力を強め、平和を維持して発展していくことは、各国人民の心の声となり、願いとなってまいりました。科学技術の進歩と経済の発展に従いまして、国と国との間のつながりはさらに深まり、どの国もどの地域も独自で発展していくことができないと思っております。ここ数年来、ASEANの経済は継続的に速いスピードで発展し、貿易と投資が絶えず拡大したのは、何と言っても経済強化と技術提携のおかげでしょう。日本海沿岸の国家と地域は面積も広く、人口も多い。そして資源も豊富ですので、巨大な開発の潜在力があると思っております。さらに地形的には、それぞれ隣り合っているし、同じように東方文明を持っているので、交流と協力の独特な有利さと限りない前途があるとも言えるでしょう。ASEAN各国と地域の間の交流と協力を強め、平和と発展を促進することは大変重要な意義を持っていることと思っております。
地形的に近いことは、日本海沿岸の各国の交流と協力にとって有利な条件をつくってくれました。そして、この地域は多様性に富んでいて、各国はそれぞれの文化や伝統を持ち、宗教信仰や生活習慣も違い、発展のテンポも違います。ですから、幾つかの問題で意見が違うことは免れないでしょうが、対等平等、相互の尊重、理解を深め、信頼関係をつくる。小異を残して大同につき、互いに学び合う平等互恵、共同発展というような原則を守りまして、この地域の国家と人民の共同努力を通じて、このような交流と協力はさらに成果を上げることができると堅く信じております。
いま、経済の要因は国際関係の中でその地位を急速に高めています。世界は新しい産業革命を迎えています。科学の進歩は既に経済成長の主な推進力となりました。日本海沿岸各国と地域の交流と協力を研究するには、まず最初に、経済の協力と技術交流を考えなければなりません。
40年も苦労を積み重ね、国際社会では貧困をなくして経済成長を推し進めるためには、経済と技術提携を強化するとともに、人的資源の開発を重視し、進んでいない地域の人民が生活開発技能をつけさせるようにし、教育と人材育成の交流を強化しなければならないとわかりました。教育と人材育成の交流と協力は、日本海沿岸各国と地域の交流と協力の主な内容として研究すべきものだと思います。大学はハイレベルの人材を育成する基地のようなものですので、各国の大学間の交流と協力は人的資源の開発、経済、技術、文化、教育などの面の交流を促進するためには非常に重要な役割を果たしています。
十数年来、西安外国語大学は対外的には開放的な方針のもとに国際交流を進め、外国の進んだ教育理論と方法を取り入れてきました。1980年以後、12の国家と地域の合わせて30の大学と友好交流関係を結んできました。外国の専門家を大学の先生としてお招きし、教師や学生を外国へ研修に派遣し、中国語を勉強する留学生に来ていただき、国際的シンポジウムを行うなどを通じて我が大学と外国の大学との相互理解を深めまして、大学間の国際交流の促進のためにいささか成果を上げさせていただきました。
十数年来、私たちは一流の実用的な人材を養成するためにより一層基本練習を強化する上に、特に相互的な文化素養を高めるよう努めてまいりました。こうして学生はすばらしい中華文化についての知識を広めるばかりでなく、世界の文化、特に対象国の文化に対して比較的深く理解できるようになりました。どの国も、どの地域も人類文明のすぐれた成果を取り入れなければならない。発展することもできません。我が大学のハイレベルの人材は、相互的文化素養と交際能力が著しく伸びてきて、これからも国際交流の中でますます重要な役割を果たすことでしょう。
中国は、世界では人口の最も多い国です。世界の人口の5分の1を占めている中国は、政治も安定し、経済も繁栄し、民族も団結し、社会も進歩し、人民は居所も安定し、職業を持ち、楽しくやっています。これは世界の平和、安定、発展と繁栄にとって非常に重要な貢献です。ですから、中国の発展と進歩は世界各国人民から広く歓迎され、支持されています。18年来、中国はいろいろな面で著しい成果をなし遂げてきました。国は生き生きとし、人民は自信満々です。けれども、中国の1人当たりのGNPはまだ大変低いものです。人口が多いことと基礎が弱いことから、現代化を実現するためにはあと何十年もの努力と長期安定、平和的な国際環境、特に周辺国との良好な関係が必要です。周囲の安定を維持し、隣国との友好関係を発展させることは、中国の自立独立の平和外交政策の重要な一環です。
隣国との意見の対立について、私たちは平和を維持することや各国の人民の長期的利から十分にそれぞれの利益を考えた上で、友好郷省と相談をして、よりよい解決方法を見つけて、解決できない対立は小異として残しておいて、対立があることで国と国との間の友好関係に悪い影響を与えないようにすることがいいと思います。中国は将来発展したとしても、決して他国に脅威を与えたり、また他国を侵略したり、圧迫したりすることはないでしょう。中華民族は平和が好きな民族で、平和を尊ぶ伝統を持っています。人を助けてあげ、善行をするのは漢民族の道徳基準です。隣と仲よくするのは中国人の習慣になっています。中国には昔から「己の欲せざるところ人に施すことなかれ」という訓戒があります。長い間圧迫されていた中国人民はこういう苦痛を他国の人民に押しつけません。中国は永遠に世界の平和を守る力の一つで、中国人民は永遠にアジアないし世界人民の信頼に値する友達です。
中日両国は一衣帯水の隣国です。両国人民の友好交流は長い歴史を持っています。現在、両国人民の交流のルートは非常に広く、交流の仕方も多く、内容も豊富です。毎年往来の人数は130万以上もあり、姉妹都市は180も結びました。1983年、陝西省は京都府と友好交流関係を結びました。双方は経済、科学技術、文化、教育などの分野で協力をし、理解を深めました。80年代に入ってから、我が大学に来ていただいた日本人教師は160名あり、中国語を勉強に来た留学生の70%は日本からの留学生です。同時に、私たちも多くの教師と学生を日本に派遣しています。中国の友好関係は両国人民にとって大変有益なことで、ASEANの平和と発展によい影響を与えています。私たちは中日の得がたい友好関係をさらに大切にし、歴史を忘れずに力を合わせて努力をし、両国の平和、友好、協力を維持して、相互の信頼関係をつくり、いつまでも仲よくしていくようにしたいと思っております。
人類は間もなく21世紀に入ります。21世紀は希望に満ちた新世紀です。私たちは日本海沿岸の国々の人民を含む世界各国の人民と手を取り合って平和と発展の新世紀をつくるために努力したいと思っております。
最後に、大会の成功をお祈りし、私の挨拶といたします。ありがとうございました。