一条通

平安時代の一条大路にあたる道。古来、一条通と室町通 の交差点は「一条札の辻」と呼ばれ、京都の道路の起点とされた。源氏物語で、葵祭の見物場所をめぐって、葵上(光源氏の正妻)と六条御息所(光源氏の愛人)が車争いを繰り広げたのも一条通 。やがて葵上は、六条御息所の生霊に呪い殺されてしまう。また、堀川一条に架かる「一条戻橋」は、陰陽師・安倍晴明が死者を蘇らせたといわれる橋。一条通 は、かつて洛中と洛外を区切る境界線だった。平安京の闇の世界を物語る逸話が数多く残されているのは、そのためだろう。