天鵞絨(ビロード)

古くは織田信長や上杉謙信も身につけたといわれる。ビロード織りにはさまざまな手法があるが、西陣では針金を織り込んで輪奈を作り、その部分の径糸を切って毛羽立てる有線ビロードが用いられている。約3センチのすき間に、直径1ミリ、長さ50センチの針金を50本も織り込むという精緻なもので、羽毛のなめらかな手触りと柔らかな光沢が魅力。
最近では職人が少なくなったため、西陣ではほとんど生産されなくなった幻の技だ。