伝統工芸〜モダニズムの極致
 

■ 京友禅

色あでやかで多彩華麗な絵柄模様が魅力の京友禅。染色技法そのものは8世紀頃にはすでに知られていたが、元禄年間(1688〜1704)頃、知恩院門前に店を構えた扇絵師・宮崎友禅斎が糊置(のりおき)防染法による「手描友禅」を扇のデザインに取り入れて世間の評判を得た。明治初期になると広瀬治助(ひろせじすけ)が、模様を写し取った型紙を使って染める「型友禅」を開発。友禅染の量産に道を開いた。友禅染は伝統的に分業制を取り入れているが、特に手描友禅の場合、糊置きや色差し、刺繍、印金など約30もの工程が完全に分業化されるなど複雑。友禅染の技法はその後全国に伝わり、独特の発展を遂げて現在に至っている。江戸友禅、加賀友禅などは特に有名。