伝統工芸〜モダニズムの極致
 

■ 京繍(きょうぬい)

京繍とは、一本の針と多彩な糸を使って秀麗な模様を縫い表す装飾技法。もともと、仏画を刺繍で表現した繍仏(しゅうぶつ)から発展したといわれる。平安遷都を機に京都に縫部司(ぬいべのつかさ)が設けられ、貴族や武士の装束をあでやかに彩る刺繍技法が確立した。その繍技法は30種類以上もあり、特に「まつい繍」「繍切り」など15の技法が伝統工芸品に認定されている。絢爛豪華な金銀糸や絹糸をふんだんに用いて紡ぎ出される刺繍紋様は写実的であり風雅。まるで一幅の絵画のような情感にあふれる。現在では、ふくさやタペストリー、ハンドバック、和装小物などにその優れた技術が生かされている。