205.杜若(江戸紫)
杜若の花の色に似た、濃艶な赤味の紫をいう。「かきつばた」の名は「かきつけばな」が訛ったもので、もと、その花の汁で摺染をしたことから来ているという。「杜若」は重色に見え、その色目は表二藍・裏萌黄(『物具装束抄』)となっている。しかし、杜若色は二藍色より赤味がちで冴えた色である。この重色は平安文学に見えていないが、中世以後の故実装束書には見えている。杜若色の色調について、江戸中期の古実家、伊勢貞丈はその著『安齋随筆』「紫」の項で「今江戸紫と云ふ色はカキツバタの花の色の如し是蒲萄染なり、紫蘇の色に赤きに青色を帯びたり」とのべている。杜若色は「蒲萄」(後出)のように赤味を帯びた艶な紫ではあるが、蒲萄よりは濃い色である。
英名「アメジスト」−紫水晶の色。
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