201.紫
紫根と灰汁と酢による低温染の濃艶な紫色をいう。媒染に用いる灰汁は古来、椿の灰汁が良いとされている。漢名の「紫」は、■草によって染めた糸の色をあらわしたものであるが、その和名「むらさき」は大陸からそれを伝えた半島語のポラサキ(ポラセック→紫の色名)から転訛したものという(『萬葉植物新考』所載、宮崎道三郎説)。しかし、中国古代の紫の染色は、『論語』「陽貨篇」に「紫ノ朱ヲ奪ウヲ悪ム」(読み下し)とあるように、赤色の下染にうすく紫を上掛けした、朱に紛らわしい(『雲麓漫抄、『通雅』)、赤紫の色だったのである。これに対して、わが古代の紫は紫根の単一染の、青味のつよい紫で、『延喜縫殿式』ではそれを深紫と浅紫の二級に分けている。『式』には紫の標準となる「中紫」はあげられていないが、「むらさき」といえば、色票に示した程度の濃さの「中紫」をさす。
英名「ロイヤルパープル」−帝王紫。
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